ショートスリーパー遺伝説を論破して、後天的になれる理由を解説

遺伝
【この記事を書いた人】中原 洋
1日2~3時間睡眠のショートスリーパーで、陸上100m 10秒台(追い風参考記録)。
東京大学工学部を卒業後、生命保険会社に勤務。仕事と趣味、勉強を両立する手段として、睡眠時間を短くする方法を学び、堀大輔氏の著書「睡眠の常識はウソだらけ」の執筆にもたずさわる。

筆者が受講したショートスリーパーの講座(Nature sleep)はこちらです。

ショートスリーパーは後天的になれるものです、と一文でこの文章を終了させても良いのですが、睡眠の研究者や専門家、各種メディアは口を揃えて、理想の睡眠時間は生まれつきで、遺伝で決まると言い張るので、もう少し文章を続けます。

睡眠時間が短いのには憧れるけど「生まれつきだから無理」と聞いて諦めている方が多いと思いますし、私自身そういった意見を聞いていたので、実際にショートスリーパーになるまでは半信半疑でした。

多くの人に短時間睡眠を目指してもらえるよう、ショートスリーパー遺伝子を発見した当の研究者本人もコメントした、遺伝や生まれつきと言う通説の致命的な欠陥をお伝えします。

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睡眠学者や専門家がショートスリーパーは遺伝と言い張る根拠

ショートスリーパーかどうかは遺伝で決まるので、いくら努力しようと無駄であるという通説が広まっています。

生まれつき睡眠時間は決まっていて、ショートスリーパーの割合は1%程度しかないので、多くの人は諦めるべきということです。

この通説に科学的根拠があるのか見てみましょう。

ショートスリーパー遺伝子を見つけた研究

カリフォルニア大学のFu教授らは、下記の論文にて、ショートスリーパーが一般人と異なり、短い睡眠時間でも生活できる理由となる遺伝子を発見しました。(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19679812)

研究内容を要約させていただくと、

アメリカにショートスリーパーの親子がいたので調べた。

ある遺伝子が変異して、普通の人と違っていた。

そのおかしい遺伝子をマウスにつくったら、やはりショートスリーパーになった。

という話で、この研究によって、ショートスリーパーは遺伝ということが言われ始めました。

睡眠の研究家や各メディアの主張

ショートスリーパーは遺伝でしかなれないらしい!という研究結果を知った多くの研究者やメディアは次のように主張を繰り広げ、それが日本全体に知れ渡ることになりました。
一部をご紹介します。

  • 東洋経済オンライン『「寝てない自慢」をする人を襲う健康リスク』(https://toyokeizai.net/articles/-/220416)

人口の1%。たったの1%しか、3時間睡眠で体内時計(体内で行動や睡眠のリズムを制御する仕組み)を管理できる遺伝子をもつ人はいないことがわかった。
「オレって、すごいだろ? 3時間睡眠で十分さ。やりたいことたくさんあるのに、寝るなんてもったいないじゃん」と誇らしげに語る人のほとんどは、似非ショート・スリーパー。遺伝子をもっているかいないかがすべてで、精神力や努力でどうなるものではないのである。

「遺伝子を持っているかいないかがすべて」と断言しているのは、やはり前述の遺伝子の研究を根拠にしているようですね。

  • 筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)柳沢正史 機構長 (https://www.lifehacker.jp/2018/09/sleep-iiis-10th.html)

(必要な睡眠量が)6時間以下で充分な人は、ほとんどいないと言っていいでしょう。ゼロではありませんが、100人に1人いるかどうかの割合です。
以前にクラウドファンディングも活用してIIISの研究者と調査した結果から見ても、真のショートスリーパーである候補者は100人に1人もいませんでした。また、後天的にショートスリーパーになることもあり得ません。自称「ショートスリーパー」の寝不足な人は大勢いますが…。

クラウドファンディングで人のお金使って一体何を調査しているのか…。

ちなみに、『真のショートスリーパー候補者』と言うくらいなので、ショートスリーパー遺伝子を持っているかの検査をしたのかと思って調べたところ、活動量計と睡眠日誌をつけさせただけでした(クラウドファンディングの研究内容)。

遺伝子の話は特にしておらず、根拠を明示せず「後天的にショートスリーパーになることはあり得ない」とのこと。先ほどの記事と比べると、少し論外でしたね…

  • 医療法人社団 緑の森 さくらクリニック院長
    (https://sakura-cli.jp/2017/03/02/blog-99/)

これまでにも、ヒトの睡眠を制御する「時計遺伝子」はたくさん報告されていて、「 DEC2のP385R(385番目のプロリン→アルギニンの点突然変異=SNP)アリルを持つヒトが短時間睡眠になる」のだそうだ。これは2009年に報告されている。(中略)元々この遺伝子変異を持っていない人が睡眠時間を縮めようと無理しても、たぶん無理。なんて言うと、ひんしゅくか。

やはり遺伝子の話をしていますね。

これだけ色々なメディアや専門家がこう言い張っていれば信じると思いますが、もう一度だけ冷静に考える機会を今つくっていただけると幸いです。

ショートスリーパー遺伝説の重大な欠陥

ショートスリーパーが本当に遺伝で生まれつきなのか、後天的になれないものなのか、研究や通説は一旦置いておいて、もう一度考えてみましょう。

「この世の人間は、2通りしかいない。国語辞書を持っている人間か、持っていない人間だ」

という訳のわからないことを名言風に言っている言葉がありますが、このような感じで、ショートスリーパーと遺伝についても同様に考えてみると、以下の通りです。

①遺伝子を持っていてショートスリーパー
②遺伝子を持っていなくてショートスリーパー
③遺伝子を持っていて、ショートスリーパーではない
④遺伝子を持っていなくて、ショートスリーパーではない

この4通りで網羅されますね。

冒頭に述べた論文は、まさに①を調べています。数人のショートスリーパーを調べたら、遺伝子を持っていたことがわかったという研究だからです。

容易に分かることなのですが、これだけではショートスリーパーが遺伝でしかなれないとは言い切れませんよね。なぜなら、遺伝子を持っていなくても、ショートスリーパーである②のような人がいるかもしれないからです。

にも関わらず、先に挙げた専門家や研究者、医者などは、①を調べただけの研究結果を用いて、ショートスリーパーには遺伝でしかなれない、と断言しています。

世の中には、遺伝子を持っていてショートスリーパーである①の人、遺伝子を持っていなくてショートスリーパーでもない④の人しかいないと思っているようです。

もしかすると事実そうなのかもしれませんが、②の人が本当にいないのかを調べる必要がありますよね。

これがショートスリーパー遺伝説の致命的な欠陥です。欠陥というか破綻してますよね。

先に紹介した筑波大学の方は、『自称「ショートスリーパー」の寝不足な人』という表現をしているくらいなので、遺伝子を持っていなくてショートスリーパーの②の人なんて、みんな寝不足なだけでしょ?と思っているかもしれません。

しかし、26歳の時に7時間から3時間睡眠となった私や、私がショートスリーパーになる方法を学んだ堀大輔氏は、8時間から今や30分睡眠となりましたが、少なくとも日中の眠気には悩んでいませんし、寝起きも寝入りも問題なく生活できていますので、寝不足ではないと自負しています。

この②に属すると思われる私の他にも、堀大輔氏から学んだ1000人以上の人がいますので、少なくともこの人たちを研究しないことには、ショートスリーパーは遺伝とは口が裂けても言い切れないでしょう。

さて、この考察はどこまで言っても、1人の一般市民である私のたわ言に聞こえるかもしれませんが、冒頭に書いたように、当の研究者本人もコメントしているのでご紹介します。

ショートスリーパー遺伝子を発見した当の本人のコメント

ショートスリーパー遺伝子を発見したFu教授のコメントを紹介します。

http://www.bbc.com/future/story/20150706-the-woman-who-barely-sleeps
に掲載されたもので、以下の和訳は、(https://gigazine.net/news/20150709-people-need-very-little-sleep/)から引用しています。

Fu教授は今後、「短い睡眠時間しか取ることができない」という不眠症の患者ではなく、「短い睡眠時間でも毎日健康的に暮らしている」ショートスリーパーの人々を対象に研究を進めていきたい考えです。Ying教授は現在、複数のショートスリーパー家系の人々の遺伝子配列を研究していて、「研究が進めばいつか一般の人でもショートスリーパーになれる可能性がある」と話しています。

ショートスリーパー遺伝子を発見した教授自身が、研究の対象は、不眠症の患者であり、「短い睡眠時間でも毎日健康的に暮らしている」ショートスリーパーの研究はできていないことを述べています。

この研究結果をもって、安直に「遺伝でしかショートスリーパーになれない」と声高に主張している人たちはちょっと信用ならないことがお分かりいただけたと思います。

【まとめ】ショートスリーパーは後天的になれるのか

ショートスリーパーは遺伝と言い切る説であふれている世の中ですが、少しだけ冷静に考えてみれば、そう言い切れるわけがなく、当の研究者も、病人ではなく、健康なショートスリーパーで研究をしたいと発表するくらい、まだまだ課題があるわけです。

メディアが主張したいことと反するような不都合な事実は、たとえ研究者本人のコメントであろうと、正しく報じられないのが現状です。

さて「ショートスリーパーは後天的になれるものです」と冒頭の一文に書きましたが、これは科学的に証明されているものではなく、単なる体験談であり、友人談です。

しかしながら、現実に後天的にショートスリーパーになった人間は存在しているので、ぜひ研究者の方たちの実験対象にしていただきたいですが、前述の筑波大学の人が「後天的にショートスリーパーになることもあり得ません。」と研究者にも関わらず、根拠なく言い切っているので、つまり研究する気がないのでしょう。

このように研究者だからと言って、鵜呑みにするのは危険です。

もちろん私のような一般市民が言うことはもっと信ぴょう性のないように感じられるかもしれませんが、実際にショートスリーパーになった人間が言っている意見ですので、多少は聞く価値があるのかなと思います。

もし自分もショートスリーパーになりたいと思っておられるのなら、Fu教授のような人がいつか科学的根拠を導き出すのを待つか、もし今すぐなりたいのなら、どこかのやる気のない研究者が言うことは無視して、私や他1000人以上の方が実際に受講した内容を聞いてみることをおすすめします。

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