睡眠不足気味の人に対して、メディアや睡眠学者は、たっぷり寝ろ!と言いますが、忙しい現代人に対して、この主張は意味をなしませんよね。寝られるほど暇だったら苦労していません。
私は3時間睡眠のショートスリーパーですが、今回紹介する内容を実践することで、たった3時間の睡眠でも睡眠不足にならずに生活できています。
- 睡眠不足だと感じていて心配
- 睡眠不足と言われても忙しくて睡眠時間が確保できなくて困っている
という人に対して、今すぐ行うべきことを解説しましたので、ぜひ読んで実行に移し、悩みを少しでも解決されてください!
睡眠不足とはいったい何?
1日30分睡眠の堀大輔氏の著書『睡眠の常識はウソだらけ』では、睡眠不足を、
「睡眠時間ではなく、睡眠物質(アデノシン)の脳内蓄積が睡眠の最中に解決しきれていない状態」と定義しています。少し簡単な表現にしつつ補足すると、
- 生活していると睡眠物質(アデノシン)が体内に溜まっていく
- アデノシンが溜まっていくと眠気が発生する
- 睡眠はこのアデノシンを処理している
- アデノシンの処理が終わってない状態が睡眠不足
ということになります。
この定義の仕方は極めて自然です。
資格試験を何かしら受けられたことがある方なら、”合格に必要な勉強時間”を調べたことがあるかもしれません。
さて試験当日に、それまでした勉強時間が、この誰が決めたのかも分からない”合格に必要な勉強時間”より少なかったとして、それって勉強不足なのでしょうか?そんなわけないですよね。
要領よく効率よく勉強できて、十分合格に到達しているレベルなら、謎の指標より勉強時間が短かろうと、大きなお世話ですよね。
また日本では労働時間の長期化が問題となっていますが、大切なのは労働時間ではなく、決められた仕事を終えたかどうか、ということはみなさん同意いただけると思います。
他の人が8時間かけて終える仕事を3時間で終えられる”仕事ができる人”は、他の人に気を遣って会社にいる必要なんてなくて、3時間で帰っていいですよね?
大切なのは時間ではないのです。
睡眠も同じで、別に8時間寝なくとも、3時間でアデノシンの処理、つまり仕事が終わったならもう起きていいですよね?という仕事の速い人が、俗に言うショートスリーパーというやつです。
そして労働時間(睡眠時間)が足りないせいか、もしくは仕事が遅い(アデノシンを処理するスピードが遅い)か、何が原因かは分かりませんが、仕事が終わらず(アデノシンが)溜まっている状態が、睡眠不足ということです。
じゃあ睡眠不足、つまりアデノシンが処理しきれない状態が続くとどうなるかといえば、まずはっきり言えるのは、眠気が生じやすくなります。これはみなさんの感覚通りでしょう。
普段よりも眠いと感じやすい状態の時に、睡眠不足かなぁと思うのではないでしょうか。
さて、睡眠不足の定義がわかったところで、睡眠不足で悩んでいる人はいったいどうすればいいのか、今すぐ行うべきことを紹介します。睡眠不足によって他にどんな症状が生じるのかは、これから追ってお話をします。
対処法① 睡眠不足だけが眠気の原因ではないことを知る
睡眠不足と思われるみなさんが最初に行うべきは、睡眠不足だけが眠気の原因ではないことを知ることです。
睡眠不足かどうかを知る手段として、睡眠時間は適切ではないという話をしましたが、10時間寝ようが、アデノシンの処理スピードが遅くて、アデノシンが溜まっている状態であれば、睡眠不足といえます。みなさんは脳内に溜まっているアデノシンの量を目で確認することはできませんから、感覚で判断するしかありません。
しかし、日中に眠いと感じる=睡眠不足かと言えば、そうではないのです。
たとえば、食後に眠気を感じるのは誰もが経験ありと思いますが、この眠気は明らかに睡眠不足だけのせいとは言えません。これは主に満腹による眠気といえます。
また大学の講義や、会社の打ち合わせも、ただ聞いているだけのものは眠くなりやすかったのではないでしょうか。これは退屈したことで生じた眠気といえます。
このように、人間には眠気の原因が満腹や退屈の他にも20種類ほどあると言われています。これらの眠気の原因が重なれば重なるほど、抗いがたい眠気が生じやすくなります。
睡眠不足というのは、眠気の原因の一つにすぎず、あなたが普段眠気に悩まされるとしたら、それは他の要因である可能性も十分に考えられるということです。
あなたが毎日決まったシチュエーションで眠気を感じるとしたら、それは睡眠不足以外の原因の可能性が高いです。
ぜひ眠気を感じるたび、どんな環境、時間帯、条件だったかを記録しておくことをおすすめします。そして、それらを避けることで眠気が生じにくくなるかを実験してみてください。
たとえば、打ち合わせで必ず眠気を感じてしまうという人は、主に退屈していることが原因と考えるので、積極的に発言してみてはどうでしょう。また、打ち合わせが決まって食後の時間にあるなら満腹が原因の可能性もありますので、食事の量を抑える、または食事のタイミングをずらしてみると良いでしょう
要は、睡眠不足以外の眠気の原因をどんどん明らかにして、避けることで、自分の睡眠が本当に不足しているのかをより明確に知ることができるということです。
対処法② パワーナップを積極的にとる
睡眠不足というのは、睡眠時間が不足しているのではなく、処理しきれないアデノシンが残っている状態のことでした。要は、アデノシンを処理できればいいのです。といっても忙しい方にとって、睡眠時間を伸ばしてアデノシンを処理するには限界がありますね。そんな方におすすめなのが、パワーナップです。
パワーナップは、15分以下の仮眠のことです。
ちょっと居眠りした後にすっきりした経験がある方はお分かりだと思いますが、めちゃくちゃ頭すっきりしますよね。これは溜まったアデノシンを処理しているからに他なりません。たった10分そこらの睡眠ですが、効果は絶大です。
パワーナップを効果的にとる方法や注意点、なぜパワーナップをとると効率よくアデノシンが処理できるかは、こちらを読んでみて確認してみてください。
対処法③ 起きている時間帯の生活を見直す
睡眠不足というと、睡眠時間が短いことばかりが注目されますが、大切なのは起きている時間が長いことです。これが何を意味するか、お分かりでしょうか?
ふだんストレスを抱えがちな人は、ストレスを感じる時間がより長くなるということです。精神的にも身体的にも健康なことをしている人は、起きている時間が長くなることで、よりその健康度が増して、幸福度も大きくなるでしょうが、その逆の人は悲惨なことになります。
過労死という言葉をよく耳にしますが、これはまさに典型例でしょう。過労死でお亡くなりになる方は、睡眠時間が短かったことが原因というわけではなく、過酷な労働環境が長時間続いたことで、心もしくは身体が限界を迎えてしまったと考えられます。
いま睡眠不足と感じていて、実際に睡眠時間が短くて、起きている時間が長い人は、なぜ睡眠時間が短い生活になっているのか原因を考えましょう。
睡眠時間が短い生活は何かに強制された結果ですか?それとも自ら望んで選んだことですか?
睡眠時間が短い原因(たとえば仕事や家事)となっていることに過度なストレスを感じていませんか?好きでやっていますか?楽しめていますか?
もし仕事なり、家事なりを嫌々長時間行っていることが原因で、睡眠時間が短くなっているのなら、生活を見直す必要があると思います。それは睡眠時間を無理やり長くしようとするのではなく、見直すべきは嫌々やっていることが長時間続いてる現状であり、それに大きなストレスを抱えている状況です。
もちろん千差万別いろいろな状況があるでしょうから、一概に解決法を提示することはできません。ただ私が言いたいのは、少なくとも睡眠時間が短いこと自体にストレスを感じる必要はなく、むしろ起きている時間帯を、よりストレスフリーに、楽しく活き活きと過ごせるように工夫をしていただきたいということです。
ちなみに時間に余裕ができれば解決する悩みなのであれば、更に睡眠時間を短くするのも手でして、私自身そうすることで、ストレスをうまく解消できて、より充実した生活を手に入れることができました。
https://veryshortsleeper.site/
忙しくて睡眠時間が今より長くとれない以上、睡眠時間が短いことにストレスを感じてもしょうがないですし、感じる必要もありません。
繰り返しになりますが、睡眠時間が短いこと自体には何の問題もありませんし、それより、1日の大半を占める、起きている時間を、より快適に過ごすことを考えるべきだということは、みなさんもご納得いただけると思います。
3時間しか寝ていなくても、21時間が充実している生活は本当に素晴らしいですよ。
まとめ
睡眠不足に悩まれている方に向けて、今すぐ行うべき対処法を3つご紹介しました。1つはパワーナップをとるという具体的な行動ですが、15分もあればできることなので、方法を学んだらすぐにでも実践してほしいです。これだけでも日々の眠気の感じ方が大きく変わり、パフォーマンスがケタ違いに上がるはずです。
そして、残り2つの対処法は、日々の試行錯誤や大きな生活改善についてで時間がかかることですが、睡眠不足、睡眠自体に悩まない生活を手に入れるためには避けては通れない道です。ぜひ実践してみてくださいね。