睡眠の習慣は毎日繰り返すものですから、悪い習慣が染みついている人はその影響が積み重なって極めて大きいものになってしまいます。
BestよりもBetterという言い方があるように、睡眠の習慣も最高のものにできなくとも、少しでも今より良いものに変えていけたら、日頃のパフォーマンスや人生の幸福度が格段に上がることでしょう。
今回は、今すぐやめた方がいい最悪の睡眠の習慣をご紹介しましたので、当てはまるものがあったら是非今日から変えて、Betterな睡眠習慣にしていきましょう!
最悪の睡眠習慣4選
寝られずにベッドで紋々とする
最悪の睡眠習慣の1つ目は、多くの方が悩まれているであろう寝入りについてです。主に不眠症の方は、「寝付けない」「眠れない」という症状にお悩みでしょう。そんな方の多くは、ベッドの上で眠れない状態に悩んでいるようですが、これは良くない習慣です。
ベッドは睡眠専用スペースにする
ベッドの上で眠れない状態を繰り返すと、「ベッドは眠れない状態を繰り返す場所」という風に身体が覚えてしまいます。たとえば、尿意を催していなくても、トイレに行ってみたら尿意を感じた、という経験はありませんか?これは、普段トイレを、用を足すためだけに利用しているからです。トイレで頻繁に用を足す以外の行動、お化粧、読書、スマホをいじるなどの行動を行っている人は、そうはなりづらいです。
ということで、ベッドは睡眠専用のスペースにすることを強くおすすめします。
眠れずに悩むスペースだけでなく、寝る前の読書やスマホをいじるスペースにするのもやめましょう。眠れない場合は、リビングや、眠気を誘うような柔らかめのソファに座ってリラックスした状態で、部屋の灯りを暗めにして過ごすのが良いです。そして、眠くなっていつでも寝られるという状態になったら寝室に移動しましょう。間違ってもソファで寝落ちしないように…
寝られないことで悩まない
寝られずにベッドで悶々とすることがいけないもう一つの理由は、寝られないことにストレスを抱えた状態で寝ると、睡眠の効率が悪くなるからです。寝始めの90分は、身体に必要なホルモンが分泌されたり、特に効率よく眠気をとるフェーズを含みますので、睡眠にとって最も大切な時間帯です。
ですので、寝られないことに悩みながら寝るのではなく、好きなことをしてリラックスした状態で、幸せを感じた状態で寝ることをおすすめします。仕事や人間関係で普段ストレスを感じている方も、寝る直前だけはストレスを忘れられるような趣味を行うのが理想です。
寝酒
寝つきが良くなって、気持ち良く寝られるからという理由で、お酒好きの方は寝酒をすることがあるかもしれませんが、これもおすすめしない睡眠習慣です。
1つ目の最悪の睡眠習慣でも解説しましたが、寝始めの90分は睡眠にとって最も大切なフェーズですので、万全の準備をしたうえで睡眠をとり始めるのが重要です。
たしかに寝酒をすればストレスを抱えることなく眠りにつくことができますが、アルコールによって種々の脳機能がマヒした状態というのは、もはや睡眠ではなく、気絶といえます。
気絶した状態では、寝始め90分のメリットを享受できず、睡眠効率が悪くなるので、十分な時間寝たとしても、睡眠不足気味になる恐れがあります。
どうしても夜にお酒を飲みたい場合は、就寝の2時間前には飲酒を終えるように努力しましょう。飲み会等で夜中まで飲酒していたとしても、そこから2時間は空けるよう心がけてください。
寝るのが遅くなって睡眠時間が短くなることの方が、寝酒よりもよっぽどマシです。それほど寝始めの時間は重要なのです。
二度寝・スヌーズ機能の使用
二度寝が毎日の楽しみという方が多いかもしれませんが、これも最悪の睡眠習慣の一つです!スヌーズ機能の使用も同様です。詳しくは参考記事で紹介していますが、分かりやすく二度寝のデメリットをいうと、寝起きが悪くなることです。
みなさんのご経験があるでしょうが、一度目の起床で寝起きが悪く、ついつい二度寝をしてしますと、その場はもう一度寝られることに対して気持ち良さを感じるかもしれませんが、結局起きるときは辛いままではないでしょうか。
この寝起きの悪さは、直すことができます。寝起きが悪く、毎日の朝が辛くてしょうがないというあなたも、自衛隊や消防士の方が緊急出動で飛び起きるかのように、寝起きを良くすることができます。
それは二度寝やスヌーズ機能の使用を明日からやめることです。
具体的な寝起きのメカニズムや、二度寝をやめる方法はこちらで解説しています。
無理して7時間以上寝る
最後の4つ目の習慣ですが、正直に言えば、これが一番最悪の睡眠習慣だと思っています。なぜなら、睡眠のために大切な起床時間を無理して削っているからです。
さらっと言いましたが、とても大切なことなので、少し掘り下げます。ふつう世の中で言われているのは、
- 睡眠時間を削ってまで、やらなければならないことなどない
- 睡眠を削るのは悪
のような論調です。この言葉の大前提にあるのは、
睡眠時間を確保しないと心身に異常をきたす
というイメージだと思います。これが真実か否かは、こちらにまとめていますので、読んでみてください。
一言で言えば、睡眠時間が短いこと自体に何の問題もないということです。これだけ聞いても到底信じられないと思いますので、ぜひ上記リンク先の記事を読んでみてください。
貴重な時間を無理して睡眠に費やすことで、何が起こり得るのか考えてみましょう。
- 運動する時間が十分にとれない
- 食事がおろそかになる(自炊よりもファストフード)
- 家族とコミュニケーションをとる時間が減る
- 趣味や娯楽に費やす時間が減る
これらの方がよっぽど心身に異常をきたしますよね。
運動不足で食事がおろそかになり、家族と過ごせる時間が減り、仕事以外の時間もとれなくなる、ということです。大げさに言っているようですが、日本のサラリーマンの一つの典型例と言っても過言ではないでしょう。
ちなみに20時間家族と寝ようが、一緒に過ごしていることにはなりませんよね。
7時間寝ようが、残りの17時間ずっと働きづめでは精神が参ってしまうでしょうが、睡眠時間を3時間にすれば、4時間は自由時間がとれますので、
- マッサージや入浴をゆったり行う
- 好きな音楽を聴く
- お笑い番組を見て爆笑する
- 自炊して、ゆっくり噛んでご飯を食べる
- 運動をする
心身を癒して、状態をよくする行為を十分にできます。しかも毎日です。睡眠をとる時間帯を工夫すれば、家族とコミュニケーションをとることも余裕です。
話を戻して、これらのように起きてさえいれば無限の可能性が広がるわけですが、この可能性を捨ててまで、無理して7時間寝ようとすることの残念さが伝わったでしょうか。
たっぷり寝ておけばよい、と1000年前の人でも言っていたであろう、何の解決にもならないアドバイスを高らかに叫ぶ睡眠学者やメディアの無責任ぶりも伝わったのなら幸いです。
もちろん闇雲に睡眠時間を短くするのは危険ですので、私が1年半前にそうしたように、専門家、有識者から正しい方法を学ぶことが非常に重要です。
まとめ
最悪の睡眠習慣を4つご紹介しました。最後の4つめは、睡眠時間の長さに踏み込んでお話しましたが、あとの3つは寝入りと寝起きについてです。
堀大輔さんの著書「睡眠の常識はウソだらけ」で、『入眠と起床の改善が9割』という言葉が出てきますが、まさにその通りで、ドラえもんに出てくるのび太のように、10秒ですっと眠りにつけて、朝の鳥の鳴き声で、気持ち良く、すがすがしく起きられるだけで、みなさんの睡眠の悩みのほとんどは解決すると思います。
寝起きにストレスを感じている人は、30歳の方なら、死ぬまで2万回は苦しむことを意味します。しかも毎日です。
毎日とる睡眠の出入りを解決するだけで、人生の幸福度がどれだけ上がるか、容易に想像できると思います。
今回ご紹介した最悪の睡眠習慣をとってしまっている方は、少なくとも前3つだけでも、この記事を読んだ瞬間からストップしてみましょう。一気に毎日の生活が楽しくなると思います。
今まで散々繰り返してきた習慣を変えるのは、なかなか大変なことだと思いますので、友人と一緒に取り組むか、私のように専門家のアドバイスを受けながら取り組むなどして、ぜひ実行してみましょう!