睡眠学者が読売新聞の医療・健康・介護サイト”yomiDr.”というウェブサイトに寄稿した最新の睡眠の常識をご紹介します。
- 理想の睡眠時間は何時間なの?
- 睡眠不足になるとどうなるの?
- ショートスリーパーは訓練でなれるの?
など、yomiDr.の記事では最新の睡眠に関する常識やショートスリーパーにまつわる話題を対話形式で説明しています。
日本でも権威のある読売新聞のサイトに投稿された記事ですので、さぞかし有益な内容が書かれている事でしょう!さっそく見てみましょう。
Contents
理想の睡眠時間はいったい何時間なの?
Q:睡眠時間は1日8時間が理想だって聞いたよ。
A:日本人の平均睡眠時間は7~8時間ですが、誰もがそれだけ眠らないといけないわけではありません。
理想の睡眠時間はいったい何時間なの?という疑問に答える内容です。
質問者が無邪気に間違った常識をぶっこんできていますね。それに対して睡眠の研究者が、
誰もが7~8時間眠らないといけないわけではない
と訂正しています。
確かに理想の睡眠時間というのは、人それぞれ違います。
ちなみに理想の睡眠時間が8時間と言われるようになったのには、ある有名な実験が関係しています。
【実験の内容】
時計や日の光など、時間の手がかりが何もない部屋に実験の被験者を閉じ込めて、好きなだけ寝られる生活を続けたら、どれだけ時間があっても8時間程度に睡眠時間が落ち着いたとのこと。
だから、人間に必要な理想の睡眠時間は8時間なんだそうです。
この実験のばかばかしさが、みなさんにはお分かりですか?
よく分からない方は、食事にまつわる似た実験を考えてみましょう。
【似た実験を考える】
大量の食事を用意して、好きなだけ食べてもらうとします。その好きなだけ食べた量が本当にみなさんの理想の食事量でしょうか?
そんなわけないですよね。
今の日本は、まさに飽食の時代にあって、好きなだけ食事が手に入りますが、肥満やメタボの人は昔に比べて格段に増えています。
この実験のおかしさが分かったと思います。
では、理想の睡眠時間はいったい何時間なのか。
答えは、こちらに詳しく書いています。
今後数万時間~数十万時間、睡眠をとっていく皆さんにとって必ず役立つ内容です。
睡眠不足になるとどうなるの?
A:何時間眠るかよりも、「日中眠くならず、支障なく生活が送れているか」がポイントです。例えば、電車で居眠りする人は睡眠時間が足りていない可能性が高いです。
これが睡眠の研究者の回答ですが、果たしてこれが本当なのか考えてみます。
電車で寝る人は本当に睡眠不足?
睡眠の研究者によれば、電車で居眠りしている人は睡眠不足の可能性が高いそうです。
ふだん通勤されている方は、よく目にすると思いますが、朝の電車で座席に座っている方の半分以上は寝ていますよね。この方たちは果たして寝不足なのでしょうか。
ではふだん電車で寝ている人が、休日に子どもを連れて電車で遠出をするとしましょう。電車で座れたとして、寝ると思いますか?(平日と同じ睡眠時間の前提です)
おそらく寝ないですよね?普段の通勤の朝なら寝ているけど、子どもを連れているのなら寝ないという人は多いはずです。
それなら電車で居眠りをするのは、睡眠不足だけが原因とは限らないということになります。子どもの面倒を見るという”やるべきこと”があれば、親は起きていなければならない理由があるのです。
一方、朝の電車内で特にやることがなければ、座るという姿勢や、電車の揺れも相まって寝てしまいます。1日のハードワークに備えて、寝られるだけ寝ておこうと、そもそも寝ようとしている人だってたくさんいるでしょう。
毎日の仕事が嫌な人は眠りやすいでしょうし、仕事が楽しくてしょうがない人は、起きていることが多いでしょう。ということは精神状態も電車での居眠りに影響しそうです。
また、寝起きが悪く、頭がぼーっとする状態のまま出勤して電車で座ればきっと寝ますよね。ということで、寝起きの状態も電車での居眠りに影響しそうです。
つまり結論は、
電車での居眠りの原因は、睡眠が足りているか、不足しているかという尺度だけではない。
ちなみに、寝起きの悪さと睡眠不足は関係ありません。理由を知りたい方、寝起きを良くしたい方は是非読んでみてください。
遊園地帰りに寝る子どもは睡眠不足?
土日に家族で外出する例に戻りましょう。
1日中遊園地で遊びまくった帰路で、再び電車に乗ると、あれだけ元気だった子供が爆睡しています。ではこの子どもは睡眠不足だったのでしょうか。
違いますよね。
どれだけ普段睡眠をとっていようと、1日新鮮な体験をし続けて、また歩き回るなどしていれば、眠くもなります。
つまり、電車で眠くなったからといって、睡眠不足とは限らないのです。
電車の例とは離れますが、幼稚園や保育園では、子どもたちに昼寝の時間を与えるところが多いようです。
大半の子どもは昼寝の時間に寝るでしょうが、寝てしまった子どもは睡眠不足なのでしょうか?これも違いますよね。
夜にどれだけ寝ようと、やることがなくて、周りの子どもたちも寝ていて、保育士の方が横で子守歌を歌って、添い寝をすれば寝てしまうのです。
外国人が電車で寝ないのは睡眠を十分にとっているから?
電車の居眠りの例では、よく欧米と日本の比較がされます。
日本では電車内で寝る光景が当たり前にみられる一方、欧米では電車で寝る人は極めて少ないという話。では日本人は睡眠不足、欧米人はしっかりと睡眠がとれているのでしょうか?
決してそんなことはないと、みなさんはもうお分かりですね。
欧米では、安全面、治安面の問題で、電車で寝るという行為は文化的にあり得ないのです。この文化で幼少期から育っていれば、電車内で眠気が出にくくなります。
これはまさに文化や環境が睡眠の習慣をつくりあげた良い例です。
一方で、日本では電車というのは特段の危険はなく、安心できる空間なわけです。
その安心できる空間において、適度な室温、心地よい揺れ、周囲がみな寝ている環境で、自分も特にやることがなかったら…
寝ますよね。睡眠時間だけの問題じゃないことがお分かりいただけたでしょうか。
電車内で居眠りするということ以外にも、世で言われる睡眠不足のサインは、適当なイメージだけでつくられたようなものばかりです。
間違えやすい睡眠不足のサイン、詳しくはこちらをご覧ください。
慢性的な睡眠不足がもたらすもの
睡眠負債ともいわれる現象ですね。慢性的に睡眠不足だと人間はいったいどうなるか、記事ではこう書かれています。
A:厳密にはよくわかっていないのですが、慢性的な寝不足は体調不良を招き、糖尿病やうつ病などの発症リスクを高めるのは確かです。
睡眠不足が続くと、体調を崩し、様々な病気にかかってしまうとのこと、これは果たして本当でしょうか。
この主張は逆にいえば、睡眠は体調を整え、様々な病気から身を守る働きがあるということを言っています。主張が本当かどうか調べるためには、睡眠中に身体がどういう状況に置かれているかを知る必要があります。
睡眠中は水分補給ができない
みなさんは、水分補給の大切さを聞いたことがありますよね。暑い夏はもちろんのこと、普段からこまめにミネラルウォーターを飲まれている方は多いでしょう。
そんな健康意識が高いみなさんは、寝ている間もしっかり水分補給していますか?
そんなわけないですね。
7時間睡眠を確保するのであれば、7時間という長時間、水を1滴も飲めない状態に陥るのです。しかも汗で水分は出ていく一方です。
これって本当に身体に良いと思いますか?
睡眠中の血流はドロドロで流れが悪い
みなさんは身体に疲れがたまっていると感じた時、何をしますか?
マッサージに行くという方は結構多いと思います。あとは温泉ですかね。
両者に共通するのは、全身の血流を良くすることですね。
そうすることで、新陳代謝が良くなり、身体に溜まっていた疲労物質が流れ出して、疲れがとれます。
睡眠中に身体が回復するとしたら、血流は良いはずですが、実際はどうでしょう?
結論からいえば、寝ている間は軽いエコノミー症候群のような状態となって、血流はまったくもって良くないです。
エコノミー症候群とは、飛行機のフライトで狭い席に座り続けていると、同じ部位がずっと椅子に当たっているために血流が悪くなり、これが長時間続くことで血管の中に血栓ができて、ひどい場合には死に至るという病気です。
寝ている間は、座るよりも広い部位が地面に触れていてより分散されているので、座るよりはマシですが、血流が悪くなっているのは明らかですよね。
先ほど説明したように睡眠中は水分もろくに取れていないので、ただでさえドロドロになった血液の流れが更に悪くなっているのです。最悪ですよね。
これのどこが健康に良いのでしょうか。睡眠中に疲労回復なんてしようがないですよね。
世の中では慢性的な睡眠不足のことを睡眠負債とか呼んでいますが、長く寝ることの方がよっぽど身体に悪いので睡眠負債と呼ぶにふさわしい状態です。
他にも絶対知っておくべき睡眠のデメリットは、こちらをご覧ください。
3時間睡眠のショートスリーパーにはなれない?
Q:ナポレオンみたいな3時間睡眠は無理かな。
A:短時間の睡眠で済む「ショートスリーパー」は生まれつきの体質です。環境を変えたり、特訓をしたりしてもなれません。
いきなり結論をはっきり書きますが、
3時間睡眠のショートスリーパーには生まれつきでなくてもなれます。
私がそうですし、周囲にも山ほどいます。
この質問に答えている睡眠の研究者ははっきり言って研究者失格だと思うんです。
ありきたりな例で恐縮ですが、
「200年前に人間が空を移動するなんて不可能だ」って言っていた人なんて山ほどいたと思いますが、のちに人間は成功したわけですね。
一般人が自分の感覚で思うのはいっこうに構わないですが、仮にも未知のことを探求する立場にある研究者が、簡単に“不可能”と言うなんて情けないですよね?
飛行機の例にしても、研究者たるもの「空を移動するのは難しそうだが、努力次第で不可能は可能になるかもしれない」くらいに言ってほしいですよね。
ショートスリーパーの話は200年前の飛行機以上にシンプルです。
なぜならもう空を移動している人間がいるからです。あ、例えです。
つまり、もう生まれつきでなくて、後天的に3時間睡眠のショートスリーパーになっている人間がたくさんいるわけです。
つまり睡眠の研究者は「人間が空を移動するなんて無理だ!」と、飛んでいる飛行機を目の前にして言っているのと同じなわけです。
「飛行機が飛んでいるのは確かだが、空を飛ぶなんて危ない!一刻も早くやめるべき!」とも言っているわけです。文句ばかり言ってないで、危なくなくなる方法、安全性の確保がどうすればできるのか考えなさい、と思いますよね。
睡眠の研究者は、ショートスリーパーがいかに身体に悪く、普段の作業にも悪影響を及ぼすか、ヘンテコな実験をがんばって行って証明しようとしているわけですが、
1万歩譲って、ショートスリーパーが身体に悪く、普段の作業に悪影響を及ぼしたとしましょう(違いますけどね)。
であれば、身体にも普段の作業にも悪影響を及ぼすことなく、睡眠時間を短くできないかどうかを、がんばって研究した方が生産的だし、多くの人の役に立ちますよね?
なぜなら、現代の日本には「忙しい」「時間が足りない」という人が山ほどいるからです。
で非生産的な研究者のみなさんが行っているヘンテコな実験はなにかというと、
元々7時間寝ていた人を山ほど集めてきて、かたや普段通り7時間の睡眠、もう一方を3時間の睡眠に制限させて、脳の反応速度や、作業の正確性を調べた結果、3時間睡眠の方が、結果が悪かったというものです。
当たり前じゃないですか?
昨日まで7時間しか寝てなかった人を3時間まで減らしてるんですよ。眠いに決まってるじゃないですか。
昨日まで1日7食食べていた人を、3食にしたらお腹空いて集中できないですよね。
小学生でも分かる話です(小学生の皆さん、すみません)。
ちなみに私は7時間睡眠から安定した3時間睡眠のショートスリーパーになるまで、2か月かかっています。ダイエットだって健康的な方法は、数週間、数か月かけてゆっくり落としていきますよね。
ということで、こんなヘンテコな実験をもって、3時間睡眠はやばい!!!とか言ってるわけですね。
悔しかったら、3時間睡眠が定着した人を集めて実験してください、ということです。
喜んで実験に参加しますよ。
まとめ
権威ある新聞社の健康サイトに寄稿された記事でさえ、この有り様です。
どの有り様かは、ここまで読んで下さった皆さんには分かっていただけたと思います。
これまで紹介してきたことが、権威ある研究者によって、睡眠の常識として定着しているのが現状です。
しかし私は、当たり前に飛行機が飛んでいて、当たり前のように人間が空を移動できるかのごとく、
日頃忙しかったり、やりたいことがたくさんある人が、当たり前のように、睡眠時間を短くする世界が来ると思っています。私も含めて、現にそういう人がもういます。
こんな現代の中で、睡眠の常識に逆行して睡眠時間を短くするのは勇気のいることかもしれませんが、もしもっと長く起きて、やりたいことを満喫したい!と少しでも思われる方は、ぜひこちらを読んでみてください。
まぁ元も子もないことをいえば、睡眠時間を短くしてみて、身体に合わないなと思ったらもとに戻せばいいのです 笑
安心して、睡眠時間の短縮にチャレンジしてみてください。