必要なときに眠気が出て、必要ないときには眠気を出さない。
こんな風に眠気をコントロールできたら最高ですよね。
私がショートスリーパーで睡眠時間が3時間ほどという話をすると、「眠くならないの?」とまず聞かれますが、「あまり眠くならないです」と自信をもって言えるのは、眠気をコントロールできているからです。
日本人の99.99%の方は、”眠い=睡眠不足”とすぐに考えてしまいますが、
はたして眠気を感じるのは、睡眠不足だけが理由なのでしょうか。
この記事を読めば、眠気をコントロールすることがどういうことかが分かるようになります!
Contents
眠気のコントロールを理解するために、まず空腹と食欲を考える
眠気をコントロールする方法を学ぶために、いきなり睡眠の話をすると分かりづらいので、まずは身近な食欲、空腹について考えてみます。
食欲を毎日、毎食好きなだけ満たし続けるとどうなるか、想像してみてください。
端的に言えば、肥満になりますよね。
肥満になって初めて気づくのですね。「しまった!食べ過ぎた!」と。
食べ過ぎや、その結果である肥満が健康に良くないことは、もはや常識ですね。
肥満になって見た目がふくよかになるだけなら良いものの、生活習慣病(心筋梗塞や脳梗塞など)のリスクを増大させるなど健康上のデメリットが大きいです。
食べ過ぎは身体に良くないという教訓は、「腹八分目」という言葉や「腹八分目に医者要らず」ということわざからも分かりますね。
食欲は満たせばいいというものではなさそうです。
では睡眠欲はどうでしょう。
睡眠肥満の正体
眠気、つまり睡眠欲について同じことを考えてみます。
睡眠欲を満たし続けるとどうなるか、想像してみてください。
「別にただ気持ち良いだけで問題ないのでは?」という感想で止まる方が多いのではないでしょうか。
むしろ「心身を十分に回復させることができる」「記憶が整理されて勉強の効率が上がる」などメリットが思い浮かぶかもしれません。
食べ過ぎの弊害はいくらでも思いつくのに、寝過ぎの弊害はあまり思い当たらない方が多そうです。
それは、食べ過ぎると分かりやすく体型が変わる一方で、寝過ぎたとしても身体の見た目の変化としては表れないのが原因でしょう。
では、身体の見た目に現れないなら、寝過ぎても良いのでしょうか。
寝過ぎは身体に良くない。
これが結論です。食事の場合と同じ結論です。
堀大輔さんの著書「できる人は超短眠!」には、睡眠をとることの健康上のデメリットが書かれています。
ざっと一部を挙げます。
- 血流の低下(血がドロドロになる)
- 体温、水分量の低下
- 基礎代謝が低下
これらが不健康な状態であることは一目瞭然ですね。
食べ過ぎて太っている人を肥満というのであれば、寝過ぎて不健康になる人は、睡眠肥満と言えます
食べ過ぎはいけないのに、寝ることに関しては、たくさん寝た方がいわれるのは、違和感を感じませんか?睡眠に関しては、研究が進んでおらず、分かってないことがまだまだ沢山あるためです。
空腹を感じるのは、本当に身体が食べものを必要としているから?
「眠いということは睡眠不足の証拠だから寝た方がいい。」
「日中ずっと眠かったから、今日はたくさん寝よう。」
当たり前に聞かれる言葉ですが、一見普通に思えるこの論理の怖さは、睡眠を食事に置き換えて考えると分かります。
「空腹を感じたということは、食事(栄養)が足りていない証拠だから、何か食べた方が良い。」
「ずっと空腹だったから、今日の夜はたくさん食べよう」
これでも、問題がある発言には思えないかもしれませんが、ここで1つお聞きします。
空腹は、食事(栄養)が足りていない時にしか感じないものですか?
「食欲をそそる」という言葉があることから分かるように、食欲は生きるために真に食事(栄養)が必要な時以外にも感じるのです。
みなさんはテレビでグルメ番組や、ファストフードのCMを見て、「美味しそうだなぁ、お腹空いてきたな」と空腹を感じたことがきっとあるはずです。
空腹は目、つまり視覚を刺激することで誘発できるのです。
視覚以外にも食欲をそそられる五感がありまして、その一つは嗅覚です。
うなぎの匂いをおかずに白米を食べる落語があるくらいです。
みなさんも街を歩いていて、良い匂いを嗅いで、空腹を感じたことがあるでしょう。
うなぎという言葉を聞いて、頭の中でうなぎを連想し、空腹を感じている方もいるかもしれません。これは聴覚です。食べ物の話をしていて、お腹が空いた経験がある方もいるでしょう。
小腹を満たすつもりで食べ始めたら、本格的にお腹が空いた経験がおありの方はいませんか?これは味覚、または食べているときの口の動きで食欲を生み出していると言えます。。
口が寂しいといって、何かおつまみを食べたり、ガムを噛むことがあると思います。
これはもはや食欲を満たすために食事をとるという本能的な行動を通り越して、食事をとっている感覚が欲しくて、食事をとっているのです。
要は、食べている感覚だけが欲しいという謎の現象です。
要約すると、こうです。
真に食事(栄養)が必要な時だけ空腹を感じるわけではなく、身体が食事を欲していなくても、五感が勝手に空腹を感じさせることがある
ということです。
空腹というのは、五感を通じて脳が感じさせているものですから、それ程までに、脳というのはアホだということです。
アホのいうことを信じて、空腹に任せてモノを食べた結果が、肥満なのですね。
かくいう私もやや太っていますが…
眠気を感じるのは、本当に身体が睡眠を必要としているから?
食欲について考えた上で、眠気を考えてみると、より一層しっくりきます。
本当に、「空腹を感じたってことは、食事が足りていない」んですか?
本当に、「眠いってことは、睡眠不足」なんですか?
みなさんは1つ目の質問の答えを今まで見てきました。それをふまえて、2つ目の質問を改めて考えてみてください。
堀大輔さんの著書「3秒で頭が冴えるすごい方法」によると、眠気の発生要因はなんと20数種類もあるのです。
睡眠不足はたしかに眠気を発生させる要因ですが、あくまで数ある要因の一つにすぎません。
みなさんには、決まって眠気を感じる時間帯や行動、シチュエーションはありませんか?
- 昼食のあとは決まって眠くなる
- つまらない単調な作業を延々していたら眠くなった
- こたつに入っていたら、眠くなった
- マッサージをうけていたら、ついつい眠くなった
これらの眠気は本当に睡眠不足が原因ですか?
そうです。眠気を感じたから睡眠不足であるとは限らないのです。
眠気を感じたから寝た方が良いと思って寝ているとしたら、それは本当に必要な睡眠時間よりだいぶ長く寝ていると言えるかもしれません。
つまり、睡眠肥満ということです。
寝過ぎです。
たくさん寝るなら覚悟をもったうえで自己責任
今より短い睡眠時間で問題ないと言われたところで、自分は寝るのが好きだし、今のままで構わないという人がいても不思議ではないですし、むしろ多数派の意見かもしれません。
それはそれで構わないのです。
自分が寝過ぎであること、そして睡眠がもたらすデメリットを知った上で、眠気に任せて寝るのは構いません。
それは食べ過ぎや肥満の弊害を分かったうえで、食べ続けるのであれば構わないと思うのと同じであり、身体に悪いと分かったうえで、たばこを際限なく吸い続けるのは、その人の自由であるのと同様です。
肥満卒業のためのダイエット法
食事や喫煙、睡眠など、あらゆることにおいて、今のままでいいと思う人が多くいる一方で、勇気を出して今の状態から抜け出そうという人もいることでしょう。
たとえば、食べ過ぎて肥満になってしまった人が、痩せることを決意したとします。
「運動をする」「食事を減らす」
など、色々な解決策を思いつくでしょうが、ここでは空腹の話をしてきましたので、空腹をなるべく感じさせないような工夫を考えてみましょう。
理想の空腹は、真に食事(栄養)を身体が欲しているときのみ感じるものにすることではないでしょうか。
それ以外の例えば、食欲がそそられる、というように必要のない空腹は減らしたいものです。
そうなると、食欲をそそられる状況、例えば、テレビでグルメ番組や食べ物に関するコマーシャルを見るのは望ましくありませんので、テレビを見るのは最小限に控えた方がよさそうです。
食べ物はなるべく目に入れない方がよいでしょう。したがって、会社からの帰り道に商店街やレストラン、ラーメン屋などの前は通らないほうがいいですね。
家の中にお菓子やジャンクフードは置かないようにしましょう。
どうしても置かなければいけない理由があるなら、金庫の中にでも入れて、その金庫を押し入れの奥底にしまって、簡単にはお菓子を取り出せないようにするべきです。
ダイエットをしたい方は、ぜひやってみましょう。効果抜群です。
【具体例】眠気をコントロールする方法
睡眠肥満の場合は、目に見える実害があるわけではないですので、今のままの睡眠でよいと思う人が食事の食べ過ぎによる肥満以上に多いことでしょう。
結構だと思います。
睡眠時間を短くして今より活動できる時間を増やしたところで、やりたいことも特にないという方も多いでしょう。それも結構です。
しかし、空腹の場合と同様、感じる必要のない日中の眠気を減らすことができるとしたらどうでしょう?
いくら寝ることが好きで、いつまででも寝ていたいという人でも、日中の眠気が好きという人はなかなかいませんね。
日中の眠気は、勉強や仕事の妨げになっているはずです。
睡眠時間は短くしたいわけじゃないけど、眠気を感じなくできるならぜひやってみたい!という方が殆どではないですか?
やりましょう!
先に挙げた例の一部を使って考えてみます。
①昼食のあとは決まって眠くなる
おそらく実感があると思いますが、食べ過ぎた場合の時ほど、食事のあとに強い眠気を感じませんか?
であれば、食べ過ぎなければよいのです。いつも以上によく噛んで、願わくば量も、必殺の腹八分目にしてみましょう。
それは難しいという方は、食事前にカフェインをとると良いです。
食事をすることで眠気が発生する原因の物質が身体に溜まるのをカフェインが防いでくれます。
②こたつに入ると眠くなる
こたつに入る理由が、部屋が寒いからなのであれば、絶対に寒さなど感じないくらい厚着をして、こたつに入らないようにするのがよいです。
こたつに入る=寝るという習慣がついてしまっているかもしれないからです。
寝てはいけない、眠気を感じたくない、という時には、あらゆる手段を使ってこたつに入らないようにしましょう。
こたつをそもそも視界に入れないことができれば理想的です。
③マッサージをうけていると、ついつい眠くなる
これに限って言えば、気持ち良さに身をゆだねて寝ても良い気がしますが、
「マッサージの手技を勉強したい」
「マッサージをして下さっている担当の方とおしゃべりをしたい」
「マッサージの気持ち良さを寝ることで味わえないのはもったいない」
など起きていたい理由もあるでしょう。
マッサージを受けるというシチュエーション上、身動きはとれないですし、場所も変えられませんので、例えば、担当の方と興奮するような話をしてみるのはどうでしょうか。
好きな映画の話、好きな異性の話、大嫌いな上司の話などなど、眠気が吹っ飛ぶくらいの話題がおすすめです。
無用な眠気を感じさせない工夫の一端をご紹介しました。
最強の眠気コントロール法
睡眠時間を短くしたいとは思わないけど、眠気には困っているので、どうにかしたいという方向けに、無用な眠気を感じないようにする工夫をお伝えしましたが、これは本当に一部であり、不完全です。
理想は、眠気の発生要因20数種類すべてについて、知っておいて、それらの対処方法を用意しておくことですが、独学では極めて難しいです。
眠気をコントロールして、眠気に悩まされることなく、日々の行動の質を上げたい、もっと生活を楽しみたいという方は、ぜひ専門家に習いましょう。
今回眠気や睡眠を、空腹と食事にそれぞれ例えて、お話してきましたので、最後にもう一つだけ。
ダイエットに成功する人の割合がどれくらいかご存知でしょうか?
実は私も答えは知らないのですが、めちゃくちゃ低いですよね?それほどまでに食欲や空腹をコントロールするのは難しいということです。
世ではRIZAPというパーソナルトレーニングと個別の食事指導をしてくれるサービスがあり、価格は数十万円するにも関わらず、サービスを受ける人が後を絶ちません。
食欲をコントロールするということはそれだけ難しいということです。
ということは、眠気や睡眠をコントロールすることも自力でチャレンジするのが難しいのは言うまでもありません。
RIZAPのように、しっかり専門家に習って、失敗することなく、遠回りすることなく、短期集中で行うのが吉です。
眠気を制するものは、人生を制するといっても過言ではないです。
ぜひ皆さんも眠気と戦うのではなく、無用な眠気を回避して、最高の生活を送っていきましょう!
「戦わずして勝つ!!」
孫子の兵法にも書かれている素晴らしい戦略を紹介して記事を終わりにします。